大阪維新の会   上月 明



 大阪維新の会が世論調査で高い支持を得ているのは、官僚任せの国会議員の不甲斐なさと、国民のことよりも国会議員自身が保身のために動いていると、国民の目に映っているからだろう。
 国の一般予算が92兆円。年間の税収は40兆円余り、残りの大部分は国債の発行。どう考えても借金は増える一方である。
 日本国の1000兆円に近い借金を考えると、三十年先には社会保障制度は崩壊してしまうのではないか。
 超高齢時代を迎えても、国会では大胆で奇抜な施策も打ち出せず、議論が堂々巡りで進展しない。日本国の衰退も時間の問題と思われる現状である。
 このまま傍観者でいいのだろうかと、疑念が湧き出てくる。
 大阪維新の会の「維新政治塾」塾生募集案内にテーマ「大都市制度のあり方について」とある。
 応募してみようかと真剣に考えた。
 レポート用紙を前にすると、頭の中に次々と無駄と思える大都市のことが湧き出てくる。
 全国の道府県には、政令指定都市という大都市がある。そこには道府県議会議員と政令指定都市議会議員が重複し、二重行政が行われている。
 兵庫県と神戸市を例にとってみる。兵庫県議会議員は、神戸市を含めた県下全域から選出されている。神戸市長には政令指定都市として、兵庫県知事と同等に近い職務権限が与えられており、神戸市議会も兵庫県議会と同等の役割をこなしている。神戸市内選出の県議会議員の役割はほとんど無いに等しい。しかし共に議員報酬を受けている。
 政令指定都市議員と道府県議会議員の重複をなくし、無駄な経費節減を図るべきである。
次に地方行政の仕組みを変えることである。
 全国を大きくいくつかの区域に区切る。例えば、近畿地方を一つの区域とし、区域内の国の出先機関と府県庁を統合する。統合した行政機関に財源と権限を与え、大胆で奇抜な施策が行えるミニ国家づくりができる統合行政機関にするべきである。今の府県が行っている、国と市町村をつなぐだけの中二階的で、中途半端な役割になっている府県制度は廃止すべきである。 
 市町村長には、現在の道府県知事が持つ職務権限を与え、市町村が地域の実状にあった施策が行えるようにする。
 最後に、今の平和な時代を考えると、国会は一院制でよいのではないか。その方が、思い切った施策が行えると考える。議員の数も減らせるメリットがある。
 近い将来、国会議員は自身で調査を行い、公費での秘書設置はやめ、国会議員職は使命感に燃えたボランティアで行う時代にしなければならない。政治屋はもういらない。

 国会議員に立候補するには供託金が必要である。比例区で600万円、選挙区で300万円。大阪府議選や大阪市議選を参考にすると選挙費用は最低400万円。大阪維新の会公認で立候補したとしても、政党助成金の補助がない大阪維新の会の台所事情は火の車。供託金や選挙費用は自前で準備しなければならない。
 サラリーマン生活では、簡単に準備できる金額ではない。当選する保証もない。家族が猛反対するのは目に見えている。
 老後のことを考えると、断腸の思いで維新政治塾への応募を断念するしかなかった。

 

 

もどる