編集後記

  
「男と小説、どっち取る?」
 小説の書き手である女性三人と話をしていた時に出た話題だ。
「もちろん、小説やわ」二人は即答した。
「楽しいのは男かな」と私。
「でも男の代わりはいるけど、小説に代わるものはないよ」
「書くことでしか得られないものがあるわ。それに小説でしか出せない自分がいるから、わたしはやめられない」
「言われてみれば、書くことは男との楽しみよりも勝るかも」と私は納得する。
「その通り。断然、男より小説やわ」
 黙っていた一人が口を開き、皆が頷いた。
 小説を書き始める動機は人それぞれだと思うが、書き続ける魅力はどうやら似ているらしい。男より小説だと言った三人は、モテない女ではない。念のため。
 今号の四作は、小説の魅力に惹かれて、または取りつかれて書いたに違いない。
 読み手にそれが伝われば良いと願う。
「男(女)と小説、どちらを取りますか?」
                          (Y)


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