『せる』六十二号の編集委員をやることになった。
作品の作者たちが、偶然にも、私の文学との関わりに影響を与えていることに、人との出会いというものに不思議さと、少々怖さを感じる。
作者の中でも、H氏とO氏に出会ったことは、私の文学人生に与えた影響は大きい。H氏とは大阪文学学校入学の同期生であり、お互い文学の話に花を咲かせ、夢を膨らませて競い合ってきた仲である。O氏は、同人誌『せる』にプレ会員として参加出来るよう声を掛けていただいた。両名に出会わなければ、ここまで文学に打ち込んでこなかったであろうし、『せる』にも入会していなかったと思う。また、作者のN氏、A氏、一緒に編集委員をやったI氏、それにH氏と私の五名は、ほぼ同じ時期に『せる』に入会したメンバーである。
人との出会いは、自分の人生を良きにつけ悪しきにつけ、変えてしまう可能性だってある。出会いを有効に活かすか、無駄にしてしまうかは、本人の自覚しだいだろうと、改めて自分自身に言い聞かした。
今回の掲載作品は、作者四人の個性が染み出た多彩な内容で、なかなかの出来映えである。読んでいただければ退屈させないと思うのだが……。 (上月)
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