編集後記

 (原文)
ちょっと一杯のつもりで飲んで、いつの間にやらハシゴ酒。気がつきゃホームのベンチでごろ寝、これじゃ体に良いわけないよ。分かっちゃいるけど止められない。アソレ、スイスイスーダララッタ……

 技術評論社発行のウェブサイトデザイン誌の「そんな言葉では伝わらない・伝わるテキストのつくり方」と題した記事にあげられている練習題です。青島幸男作詞の不滅のヒット曲といえ、パソコン画面上のべた打ちテキストを、丹念に読み込む人は、いません。そこで、読み手の目的である飲酒パターンをメインに書き替えたとする、次の表記が、伝えるテキストの解答例としていました。

(変更後)
■サラリーマンの飲酒パターン
@飲む(ちょっと一杯のつもりで……)
Aハシゴ酒(いつの間にやら!)
Bごろ寝(駅のベンチで。体に悪いよね)
C1から3を繰り返す(わかっちゃいるけど止められないんだ)
D歌う(♪スーダララッタ)

 パッとみてスグわかる文章に書き整えることがポイントです。そのテクニックとしては、見出し・箇条書きなどでパターン化する、テーマや結論、大事な情報を先に書く、飛ばし読みできる部分は、カッコ書きで分離する、あるいは、文字色・文字サイズを変えて強調度合いを示すなどなど、いくつものノウハウがありましょう。
 これら「テキストの外形」とでもいう要素が訴求力を左右します。
 もちろん、決め手は中身です。
 箱がおしゃれでないと箱を開けてもくれない、中身を見てもくれない。
 現在表出されているテキストの大半は、パッとみてスグわかることが存在条件とされる、そんな場に置かれています。
 一方、ペーパーメディアでは、外形を飾ることがうっとうしく逆効果となることもありましょう。

(この稿の結論)
ここに掲載している作品は、読まれるためにあります。
より多くの人に、じっくりと、しっかりと。活字で。  (壱)

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