編集後記

  新型コロナ感染防止のために「おうちにいようよ」キャンペーンが繰り返されている。 人と人との接触を避けよう。 ソーシャルディスタンスだ。食事は間隔をあけて横ならびで無言で食べよう。
 新しい生活様式、新しい日常を取り入れよう。
 人と人との断絶を強いる毎日である。家に閉じこもる隠者のような生活が推奨されている。
 かつて鎌倉時代から室町時代にかけて、 隠者文学が現れた。 代表的作品は方丈記、徒然草などである。
 今回の新しい生活様式も、隠者生活と似ていて、極端に言えば、無人島でひとりで自給自足の生活をしようということである。
 無人島でどういう文学が生まれるのだろうか。無人島文学・自給自足文学が「ウィズ・コロナ」の時代のトレンドになっていくのだろうか。
「せる」も新型コロナの影響を受けて、毎月の会合を二ヵ月続いて中止せざるを得なかった。創刊号以来、初めてのことである。
 今号の編集会議も集まるわけにはいかなかった。 オンラインでの、これも初めての編集会議になった。極めて特殊な環境のなかでの発刊となった。      (尼)

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