岸和田に引っ越して半年になる。岸和田といえばだんじり。高校生のころ岸和田出身の友人が、九月になると「祭当日まであと○日○時間○分○秒」と年越しのようにカウントダウンを始めていた。暇さえあればそう言っていた。先日、近所の神社のホームページを見ると「今年の岸和田祭まであと○日○時間○分○秒」というカウンターができていた。
九月に入ってから毎日祭囃子が聞こえている。朝にはもう鳴物が鳴っているし、夜になると、学校から帰ってきた子供がだんじり小屋に集まってまた笛太鼓を練習している。夜に突然そーりゃあそーりゃあ、という声が家の近くまで迫ってきたので、何かと思って窓を覗くと、実際にだんじりを曳いているのではなく、青年団が走りこみをしている。祭に備えて体力作りのためにランニングをしているのだ。だんじり祭は宵宮と本宮の二日間、山車を曳いて町中を練り歩く。走ることも多いので結構ハードらしい。祭の次の日は腕が動かない、という話を聞いた。
宵宮の日には、朝五時くらいに「今日から二日間、安全に気をつけて頑張りましょう!」というかけ声がだんじり小屋から聞こえ、それで目が覚めた。祭が始まる。
今日は本宮。むかし、カウントダウンをする友人を見て岸和田の人の祭好きに驚いた。舌を巻く、というより、余所者の私にはちょっと異様な雰囲気だった。でも今、祭を見るのを楽しみにしている自分がいる。ここ数日お囃子のせいで睡眠不足で、シルバーウィークはゆっくり寝ていたいという気持ちもあるけれど。